アレルギーセンター

診療は各診療科の外来で実施するとともに、複数の診療科が共同で症例検討会を開催することで情報を共有化し、さらに免疫学に基づいた新規治療法や発症予防法の確立などを含めた総合的で質の高いアレルギー診療を目指します。情報提供では、医療関係者を対象にした講演会に加え、市民公開講座など患者さんを対象にした啓発活動にも積極的に取り組んでいます。

人材育成では、アレルギー疾患を総合的に診療できる総合アレルギー医や、アレルギー疾患診療に習熟した薬剤師、看護師、栄養士の育成を通して、地域のアレルギー診療の質の向上を目指します。研究活動および学校や児童福祉施設への支援活動も、更なる充実を目指しています。

国立病院機構福岡病院 病院長 吉田 誠 

福岡病院では、2019年4月に福岡県で唯一のアレルギー疾患医療拠点病院(拠点病院)に指定されたことを受け、アレルギー疾患の医療レベルの均てん化を推進していくことを目指して、同月からアレルギーセンターを発足しました。

アレルギーセンターの活動として以下の5項目を掲げています。

  • 1)診療
  • 2)情報提供
  • 3)人材育成
  • 4)研究
  • 5)学校・児童福祉施設への助言・支援

アレルギー疾患対策基本法と拠点病院の位置づけ

2013年の調査で国民の2人に1人は何らかのアレルギー疾患に罹患していることが報告され、その後も乳幼児から高齢者まですべての年齢において幅広く増加の様相を呈しています。また、アレルギー疾患は複数の疾患を併発することが珍しくなく、発症や症状の増悪には生活環境の様々な要因が影響していることから、アレルギー疾患を総合的に、診断・治療・予防するための医療体制を整備・推進することは理にかなったことであり、我が国の医療における喫緊の課題であるといっても過言ではありません。

このような状況を踏まえ、アレルギー疾患対策基本法が、2014年6月20日に成立し、6月27日に公布されました。 この法律では、基本的施作として、以下の4項目が掲げられています。

  • 1)アレルギー疾患の予防と症状の軽減
  • 2)アレルギー疾患医療の均てん化の促進
  • 3)アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上
  • 4)研究の推進

福岡病院アレルギーセンターは、アレルギー疾患対策拠点病院として地域の医療機関・かかりつけ医と皆様が適切な医療が受けられるように連携していきます。

また、地域や病院を問わず質の高い医療サービスが受けられるように医療従事者向けのセミナーを開催し医療の均てん化を図ります。行政や教育現場とも連携し、様々な医療職種の方々にもアレルギーの知識及び緊急時の対応をセミナーやパンフレットなどを通して知っていただきます。

患者さん及び一般の方々へはこのホームページを通してアレルギー疾患への理解を深めていただき、地域社会全体でアレルギー疾患への対策ができるように努めてまいります。 並びに当センターではアレルギー疾患予防・治療のための新たな研究を進めており、その成果をもって社会全体への貢献を目指してまいります。

アレルギー疾患医療おける連携のイメージ図

小児アレルギーエデュケーター(pediatric allergy educator : PAE)について

小児アレルギーエデュケーターの資格は、日本小児臨床アレルギー学会が講習や試験を設けて認定しており、アレルギー診療に携わる看護師、薬剤師、管理栄養士が取得することができます。小児アレルギーエデュケーターは、患者が前向きに治療に取り組むことができるように家族と一緒に支援し、多くの医療者、学校、保育園、幼稚園等と支援の輪を作りながら、患者が治療を続けやすい生活を検討します。

また、アレルギー疾患を持つ子ども達が、病気を理解して治療に取り組めるように、病気や治療の話を理解できるように分かりやすく説明し、治療に必要な技術を身に付けるお手伝いをします。たとえば、気管支喘息の吸入方法、アトピー性皮膚炎のスキンケア、食物アレルギー症状の対応などです。これらの取り組みは、外来や入院の患者と家族に向けて行われます。

当院ではアレルギー児対象サマーキャンプ、喘息児対象水泳教室、食物アレルギー教室等を行っており、理解がより深まるよう活動しています。そして、アレルギー患者を支援する学校や保育園、幼稚園、留守家庭保育現場の方に向けて、アレルギー疾患の症状対応の方法や配慮について正しい知識を提供し、より良い環境づくりができるよう積極的に取り組んでいます。