当科の特長
アレルギー疾患とは、原因物質が同じでも、人によって、あるいは同じ人でもその時によって、眼や鼻、耳、皮膚、気管・気管支、胃腸などに、いろいろな症状を起こす病気です。
当科では、アレルギー疾患について、呼吸器科・心療内科・皮膚科・耳鼻咽喉科と連携して診察しています。
1998年よりアレルギー皮膚科を開設しています。また、成人のアトピー性皮膚炎の患者さんの場合、心身医学的問題で増悪寛解をきたすことが多いので心療内科的アプローチもおこなっています。
花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー型気管支喘息の減感作療法に耳鼻咽喉科と連携して積極的に取り組んでいます。
当科では何か原因のありそうな症状がなかなか治らないとき、その原因物質を探るお手伝いができると思います。「福岡病院へ行けば原因がピタリとあたる」というわけにはいかないかもしれませんが、症状でお悩みの方は一度お越しください。
対象疾患
気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、じんましん、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、薬剤アレルギー、日光アレルギー、金属アレルギー、ペットアレルギーなど
外来担当表
*赤字は予約外来です。
アレルギー科 |
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外来受付:8:30~11:00
予約受付:13:00~15:00 |
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区分 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
午前 (新患) |
岸川 | |||||
午前 (再診) |
*岸川 | *岸川 *福嶋 |
診療について
毎週木曜日(午前中)は減感作療法開始のための検査、プリックテストなどを準備しています。主に成人が対象ですが、小児の場合も一度ご相談ください。毎週午後は気道過敏性検査(アストグラフ)を予約制で行っています。
咳が8週間以上続く方は咳喘息がないか、また今まで喘息と言われたことがないのに頑固な咳やゼイゼイが夜中から明け方にあり、不眠で苦しんでいる方など明らかな喘息とわかりにくい時の診断に非常に役に立ち、治療が効果的にできるようになります。さらに喘息症状がよくなってきたのにずっと薬を続けなくてはならないかどうかの目安の判定にも役立ちます。
詳しくは以下の「喘息のしおり」をご確認ください。
喘息のしおり成人喘息とウイルス感染
小児の食物アレルギーと気管支喘息
花粉症と食物アレルギー症状(口腔アレルギー症候群)は、シラカバ、ハンノキ花粉症の方では40%以上の方が合併すると言われています。スギ花粉症やイネ科の花粉症の方で新鮮な果実や野菜を食べた後に口腔内のイガイガ、腫れ、ひどい場合は息がしにくくなるなどの症状に気づき、日常生活に支障をきたす場合は、ぜひ、ご相談下さい。
アスピリン喘息といわれて痛み止めを病院から処方してもらえず、何を使ったらよいかわからないでお困りの方はご相談ください。経口負荷検査を行い、あなたが使用できる痛み止めを探すお手伝いをします。
小麦粉製品、肉、ソバアレルギーなど成人でも食物摂取後にじんましんやアナフィラキシー症状が出る場合があります。一度ご相談ください。
2ヶ月以上続く咳でお悩みの方はご相談ください。呼吸器内科と連携して専門的な検査を行い、原因を明らかにして治療対策をとっています。
また、当院は加水分解沫入りの美容石鹸による小麦アレルギーの相談施設になっています。日常生活に支障を来す症状でお困りの方はご相談ください
花粉症
当院では独自調査した花粉情報をお知らせしていますが、「スギ花粉が少ない」という情報を「飛ばない」と勘違いして治療せずに重症化した例もありました。花粉症の症状に前後して、咳が出たりゼイゼイいったりする方が増えてきたのではと思います。咳や喘息などの症状のある方は早めの受診をおすすめしています。
なお、花粉の飛散状況につきましては、以下のページをご確認ください。
検査・入院診療について
日常検査(新患)
問診
アレルギー疾患に関する全身の症状に関する問診表に記入。
新患時検査
胸部レントゲン、呼吸機能(スパイログラム、フローボリウム曲線、β刺激薬吸入負荷検査)、血液検査(一般、血清総IgE、特異的IgE)、喀痰検査(好酸球)、一般検尿、心電図
皮膚検査(プリックテスト)
皮膚検査(プリックテスト)は、花粉症、アレルギー性鼻炎その他原因不明のアレルギー症状があるときに施行します。耳鼻科、皮膚科(含むパッチテスト)でも行っています。
気道過敏性検査(成人)
気管支喘息の確定診断に必要です。アストグラフによるメサコリン吸入試験を行っています。
毎週木曜日午後13:30~15:30(1人約30分)。
担当医師(Dr.今岡)と検査科で5名まで予約制で行っています。
他院からの依頼も可能です。
呼気中NO測定も同時に行っています。
誘発痰検査(成人・小児)
ステロイド薬未治療の気管支喘息及び慢性咳嗽を対象にしています。毎日2人、予約制で90~120分間かけて専門の検査技師が行います。耳鼻咽喉科での診察も行い、下気道のみならず上気道もチェックしています。
呼気中NO、アセチルコリン吸入による標準法の気道過敏性検査、3%食塩水吸入による誘発痰検査および喀痰の細胞同定検査を行い、当日に治療方針が決定します。気管支喘息の早期治療介入による喘息の寛解・治癒を目指しています。
カプサイシン吸入試験(咳閾値検査)
喘息児やシックハウス症候群などの訴えで受診した患者の客観的評価のひとつとして行っています。毎週水曜日の予約制です。
入院診療
a. 気管支喘息
クリテイカルパスを使用して発作治療、教育指導を行っています。肺気腫(COPD)合併、結核後遺症や他の呼吸器疾患合併例についても積極的に診療しています。
b. 食物アレルギー負荷検査(クリテイカルパス使用)
該当食品を2週間以上、外来または厳密に入院して除去した後、その食品の負荷検を行います。バイタルサイン、呼吸機能、自覚症状、他覚所見を前、15分、30分、以後60分毎にチェックし、即時型と遅発型反応をチェックします。可能な例は血中ヒスタミン濃度を前、負荷直後、2時間後に採血して測定します。外来で除去食を行える場合は原則として1泊2日、除去食を病院で行う場合は約1ヶ月程度の入院期間を要します。
c. 食物依存性運動誘発アナフィラキシー検査
bに準じて行い、運動療法士による自転車エルゴメーターあるいはトレッドミルによる漸増または一定量運動負荷を行い症状の変化をbと同様に行います。
d. 薬剤アレルギー検査
bと同様にクリテイカルパスを使用して、安全性を考慮して、入院して検査を行っています。確定診断目的、及びどのような薬剤が使用可能かについて検討します。複数の薬剤や全身状態の状況により、1~2週間の入院が必要となる場合もあります。
e. 運動誘発アナフィラキシー(じんましん)
運動のみで上記症状が誘発される症例についても同様に行い、血中ヒスタミン濃度の変動と合わせて評価します。