喘息(ぜんそく)

気管支喘息について

気管支喘息とは

気管支喘息(ぜんそく)とは、発作時に気管支が狭くなり呼吸機能が低下する疾患です。気管支喘息の診察においては、症状、病歴、環境因子、検査等を総合的に判断して診断しています。

気管支喘息は、慢性のアレルギー性炎症性疾患であり、喘息発作を予防するために長期にわたる継続的な治療が必要となります。

治療について

気管支喘息は、単に気管支平滑筋が収縮、拡張する機能的疾患ではなく、気管支にアレルギー性炎症が起こっている器質的疾患です。そのために、気管支拡張薬のみによる治療は正しいとはいえません。

最良の治療は、抗炎症薬による治療を第一とし、必要ならば気管支拡張薬を併用することです。

最も効果があり、長期に使用しても安全な抗炎症薬は吸入ステロイド薬です。注射や内服のステロイド薬と異なり、吸入ステロイド薬は保険適応用量内であれば全身的副作用はありません。

吸入ステロイド薬を毎日きちんと吸入することにより、喘息発作入院や喘息死などのリスクを防ぐことができます。

主な検査

気管支喘息の主な検査は、呼吸機能、気道過敏性試験、気道炎症の証明、IgE抗体などです。

その他の注意事項

喘息は自己管理が重要な疾患であり、気管支の状態を客観的に把握するための重要な指標としてピークフロー値(全力で息をはき出す際の息の速度の最大値)が使用されます。

自宅で毎日朝と夜の2回ピークフロー値を測定し、喘息日誌に記載します。ピークフロー測定、喘息日誌の記載、吸入ステロイド薬、これが喘息を最良にコントロールするために重要です。

また、喘息の病態は、その本人に由来する「固体因子」と生活環境に由来する「環境因子」が複雑に絡み合って形成されます。喘息のコントロールにおいては、薬物治療と共に、ダニ、ペットなどの環境対策も重要です。

成人喘息発作の誘因として、もっとも多いのは気道感染(感冒)であり、ついで疲れ、ストレス、睡眠不足、飲酒などにも注意が必要です。