心療内科ってなぁに? 第13回 “咳症状”と“ストレス”との関係②

“咳症状”と“ストレス”との関係②

“咳”=「咳反射」には「神経」が大きく関わっています。そして、“ストレス”にも「神経」が大きく関わっています。

“ストレス”が強すぎたり、長く続いたりすると「脳の異常」が生じます。

「脳」と「神経」はつながっているので、“ストレス”が強すぎたり、長く続いたりすると「神経の異常」も生じます。

“ストレス”が強すぎたり長く続いたりすると、「脳」や「神経」で、刺激に対する反応が“鈍くなる”、逆に“敏感になり過ぎる”など、異常な反応が出てくるようになります。けっこう強い刺激なのに反応が鈍かったり、逆に少しの刺激で“ビビビ”と強く感じてしまうようになります。

“咳症状”と“ストレス”との関係においては、後者の“敏感になり過ぎる”ことが関係しています。

緊張と過敏

皆さんは糸電話をしたことがありますか?ピンと糸を張ると声が聞こえやすくなりますよね。(音に敏感に反応するようになります)

ゴムは、緩めると反応が鈍くなりますが、ピンと張ると少しの刺激で“ビビビ”と響くようになります。スピーカーの振動膜でも同じことが言えます。(限界を超えて張りすぎると切れたり壊れたりします)

“緊張”という言葉も“敏感になり過ぎる”ことを説明する際に使います。

糸でも、ゴムでも、膜でも“緊張”させると、刺激に対する反応は“敏感”になります。

また、“(人前に立つと)緊張しやすい”方は、「目の前のあの人は私の事どのように思っているかな?」「うまく説明できるかな?」「どんな質問をうけるかな?」など、周りに対して“敏感”になり、さらに“緊張”が強くなってしまいます。

“緊張”→“過敏になる”→“過敏に反応してしまう”
(緊張があると過敏になる、そして過敏に反応してしまう)

このパターンを覚えておいてください。
区切りがいいので、今日はここまでにしましょう。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉