“心”は“体の運転手”。 メンテナンス技術と運転技術(ドライビング技術)、これらの技術を身に着けていくことが、「心Coro Heartの成長=行動の成長」につながります。“体(脳+身体)の使い方=運転技術”を習得し、健康を作っていくことができるようになると、症状が出にくくなりお薬が減っていきます。
「ホメオスターシス」「ストレス」「サイン(体からの信号)」、そして「症状(危険信号)」、これらの言葉について理解できましたか?私たち医療スタッフや皆さんの目的は“症状を減らす” “健康になる”ことです。そのためには、「症状(危険信号)」とは何か?どうして「症状(危険信号)」が生じるのかについて理解する必要があります。わからないまま、体(脳や身体)に負荷をかけ続けていると、「ホメオスターシス」が保てなくなり、体から「症状(危険信号)」が発せられたり、増えたりします。
患者さんは、“息が苦しい” “熱がある” “食欲がない” “咳がひどい”などの「症状(危険信号)」を訴えて来院します。私たち医療スタッフは、これらの「症状(危険信号)」を減らすために、「原因」をみつけ、「身体の過剰な反応」を減らす努力をしています。
「原因」は別の表現で呼ぶと「ストレス(刺激)」です。「ストレス(刺激)」には細菌やウイルス、交通事故などの外力、暑すぎる寒すぎるなどの温度変化などがあります。病院では、「症状」を引き起こしている「原因」を取り除くために、抗菌薬や抗ウイルス薬の使用や、手術を行うなど、色々な方法を用いて医療を行っています。入院した際の「休養」も大切な治療になります。外来では、咳止めや降圧薬、高脂血症薬など、「身体の過剰な反応」を和らげるための薬剤を用いて「症状」に対応しています。
「症状(危険信号)」を軽減するには、これらの治療以外に、患者さんの協力も必要になります。リハビリや“原因を増やさない” “原因から遠ざかる”ための「行動」を覚えて実践していくことも“健康になる” “症状を減らす”ためには大切です。けがをして筋肉が衰えたらリハビリを行います。疲れているときは体力を戻すために休養が必要です。糖尿病や高脂血症になったら、炭水化物や脂質の摂取量を控える行動が必要です。
ホメオスターシスのところでお話しましたが、「体(脳と身体)の機能の成長」や「行動の成長」には、3つの要素が大切です。
- ① 情報の入力(受容体): 「原因」=「ストレス(刺激)」に関係します。
- ② 情報の処理(脳という制御センター):私自身の「意思」も大切です。
- ③ 情報の出力(脳から身体への情報):「ストレス(反応)」=「行動」に関係します。
「症状」の軽減には、①入力、②処理、③出力、これらの要素が大切ということを覚えてください。
- スマホ:
- 画面がクルクル停止する際は、動画の情報を減らす(入力)、処理能力を上げる(処理)を改善すると、出力が安定してサクサク動くようになり、症状(画面がクルクル停止する)は出にくくなります。
- 体:
- 糖尿病になったら(血糖値が上昇したら)、炭水化物や脂質を減らし(入力)、すい臓を休め、インスリンの手助けをもらう(処理能力の改善)と、すい臓での反応が安定して血糖値は改善していきます。精神症状(メンタルの症状)がある場合は、「脳へのストレス刺激」を減らし、脳を休め、薬の手助けをもらってしっかり眠る(処理能力の改善)と脳や神経機能が安定して、抑うつや不安といった精神症状は減っていきます(脳がサクサク動くようになります)。
国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉
