心療内科ってなぁに? 第19回 あなたは“シャキシャキ派”?“くたくた派”?②

あなたは“シャキシャキ派”?“くたくた派”?②

さて、どうして“シャキシャキ派”“くたくた派”に分かれてしまうのでしょうか?

東洋医学的に説明しましょう・・・と言いたいのですが、教科書にはかいてありません。教科書にのせるには統計学的な根拠が必要なのです。
だれかこのテーマで研究をして論文を書いて欲しいなぁ~。

シャキシャキ派は“おなか”や“体の中側”、特に「胃腸」に熱がこもりやすい人です。

くたくた派は“おなか”や“体の中側”、特に「胃腸」が冷えやすい人です。

「胃腸」に熱がこもりやすい人は、熱を冷ますことでバランスを保つようにしています。
そのため、熱を冷ますことできる“シャキシャキ野菜”を好みます。反対に熱が増えてしまう“くたくた野菜”は好みません。

「胃腸」が冷えやすい人は、温めることでバランスを保つようにしています。
そのため、温めることができる“くたくた野菜”を好みます。反対に冷えを増やしてしまう“シャキシャキ野菜”は好みません。

“シャキシャキ野菜”と“くたくた野菜”の違いは何でしょう?

それは、火(熱)が入っているか、入っていないかです。

最初、野菜は生の状態“シャキシャキ野菜”で存在します。その生野菜に火(熱)が入れば入るほど野菜は“くたくた”になっていきます。

“シャキシャキ派”の人は、お腹の中に生野菜を入れて「胃」の熱を用いながら消化します。その際こもっていた熱を使うのでバランスが取れてスッキリします。逆に熱が入って温まった野菜が入ってくると熱が増えて調子が悪くなってしまいます。このタイプの人はアイスクリームなど冷たい物が好きです(食べ過ぎないように注意しましょう)。

“くたくた派”の人は、体の外で熱が加わって処理された野菜を欲します。「胃」に熱が少ないので生野菜によって熱を奪われたくないのです。生野菜を“くたくた”にして消化するだけの熱が少ないとも言えます。体の外で調理された“くたくた野菜”を食べると、「胃」に熱が加わりバランスが保てます。

このタイプの人はアイスクリームなど冷たい物は苦手になります。アイスクリームそのものは嫌いではないけど(好きだけど)、多く食べるとお腹が冷えて調子が悪くなります。アイスクリームを食べた後は下痢になることもあるので、暖かいお茶を飲んで「胃腸」を温めなおしたりします。

“シャキシャキ派”の他の特徴としては、漬け物は浅漬けを好む、緑茶を好む、肉類を好む(少しくらい油が多くても平気)、ごはんは少しでOK(後で食べる)。

“くたくた派”の他の特徴としては、漬け物は深漬けを好む、紅茶やウーロン茶を好む、肉類は少なめ(油が多いと下痢をする)、ごはんを先に食べる(たくさん食べたい)。

どうしてこのような食行動パターンになるのでしょうか?

「胃腸」に熱がこもりやすい体質、「胃腸」が冷えやすい体質、これらの特徴に関連させて考えてみると答えがわかってきます。皆さんも考えてみてください。

他にも色々な特徴があると思うので、皆さんの経験も教えてください。

「ちょっとブレイク」のつもりが、話がどんどんふくらんでしまいました・・・

続きは次回にします(終わるかな~?)。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉