心療内科ってなぁに? 第25回 治療に関するお話 番外編 “自然と健康学びの場②”

治療に関するお話 番外編 “自然と健康学びの場②”

「自然と健康学びの場」についてのお話です。

自然農について

農業には、慣行農法(普通のやり方)・有機農法・自然農(自然農法)など色々なやり方がありますが、この「自然農」は川口由一さんが始めたやり方で“耕さず、草や虫を敵とせず、農薬、肥料を用いない”をモットーに行っています。ちなみに水やりも行いません(苗を育てる時や移植の際には水やりをします)。

このようなやり方で本当に作物が育つの?と、最初は疑問を持たれる方もいると思いますが、立派に育ちます。自然の変化に寄り添いながらのやり方なので、数週間も雨が降らない時は作物の出来が悪くなる時もありますが、1~2週間雨が降らないことはあまり問題にならず、長い雨でも元気に育ってくれます。

福岡病院心療内科では、心と体(脳+身体)のリラックスのために「自然に触れる」ということをお勧めしています。特に“脳のリラックス”にとって「自然に触れる」ことは大切で、治療にも活用しています。

「自然農」は“自然に寄り添う”という事をモットーにしているため“自然そのものの変化”に多く触れることができます。そして“美味しい作物を楽しむ”こともできるため、この方法を皆さんに紹介しています。

当院の畑のご紹介

さて、経過を紹介していきましょう。2020年秋に、草を刈ってロープを張り、畑にしました。この場所は建物の北にあるので日当たりがとても悪いのですが、更衣室に近く使いやすかったのと、何とかなるだろうという甘い考えでこの場所で始めました。ですが、やはり考えが甘かった、下準備が足りなかったことを思い知らされました。

というのも、10月から畑に全く日が当たらないという事に気が付きました(涙)。下調べの時は半日、少なくても数時間は日が当たっていたのですが、全く日が当たらなくなるとは・・・。このままだと春になるまでまったく日が当たらない状況が続いてしまう、日の光が少なくても育つような作物を選んで少し植えましたが、無理かなぁ~。さてどうしよう。とりあえずは行いながら考えていこう、ということにしました。

ネギ
ネギ
ブロッコリー
ブロッコリー

日の光が少なくても育つような作物を選んで少し植えていたのですが・・・。大根(ネギの奥)は発芽したけど枯れてしまいました。移植したネギやブロッコリーの苗ですが、枯れてはいませんでしたが成長していませんでした。日の当たる所なら3倍くらい大きくなっているのに・・・。

ニンニク、奥にらっきょ
ニンニク、らっきょ(奥)
エンドウ豆、そら豆
エンドウ豆、そら豆

ニンニクやらっきょは、芽が出て大きくなっています(写真でどこにあるかわかるかな?)。たぶん球根内のエネルギーを使って大きくなっている・・・、枯れないかもしれませんが、収穫は難しいのではと考えています。

エンドウ豆とそら豆は、発芽して意外と元気です。冬を越すことができれば、3月頃から日が当たるようになり(といっても数時間ですが)、5月末頃に収穫できるのでは?と、ちょっとだけ期待しています。

太陽の光は大切だなと実感している今日この頃です。失敗もまた貴重な経験!と言いながら、皆で草取りをしながら成長を観察しています。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉