心療内科ってなぁに? 第35回 「長く続く咳」「長く続く息切れ」を診ています

「長く続く咳」「長く続く息切れ」を診ています

4月になりました。新たなスタートです。

この2年間は、新型コロナ感染症に振り回される日々でした。早く落ち着いた日々になるといいですね。

新たなスタートということで、4月のブログでは、当院での活動や今後の目標について少し書いてみたいと思います。

当院の活動

当院は呼吸器とアレルギーの病気を診る専門病院として発展してきました。肺炎気管支喘息(喘息)慢性閉塞性肺疾患(COPD)腫瘍など色々な疾患に対して診察・治療をしています。

肺炎には

  • 細菌が原因の肺炎(一般細菌性肺炎、特殊な菌による肺炎)
  • ウイルスが原因の肺炎(新型コロナ感染症による肺炎)
  • 間質性肺炎

など、いろいろな種類があります。

皆さんが肺炎と呼んでいる病気には実をいうと多くの病気(鑑別疾患)があり、それぞれで治療法が異なります。そのため適切(詳細)な診断と治療が必要になります。

喘息はアレルギー(異常な免疫反応)が原因の病気です。知っていましたか?アレルギーと言えばアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などの病気が思い浮かぶかもしれませんが、呼吸器系にも複数のアレルギー疾患があります。また、リウマチ・膠原病の中にも、肺が悪くなる病気があります。

これらの疾患に対して呼吸器科、リウマチ科、耳鼻科、皮膚科の先生方が連携を取りながら対応しています。各科の先生方はそれぞれの領域の専門医(指導医)の資格を持っていて、より専門的に病気を診断し治療する技術をもっています。他のクリニック・病院ではわからなかった病気について紹介を受けています。

このような環境の中で心療内科は活動しています。私たちも内科専門医の資格を持っていて内科医としての勉強と経験を積んでいます。もちろん心療内科の専門医(指導医)も取得しています。

内科の専門医制度は

  1. 内科の専門医の資格を持つ
  2. 1に加えてそれぞれの科の専門医の資格を取得する

といった2段階システムになっていて、心療内科も同じ形式をとっています。

連携した診療体制

福岡病院には「長く続く咳」「長く続く息切れ」の症状で受診される方が多くいます。これらの症状で来院された初診の患者さんは、呼吸器科の専門医の先生が対応しています。専門医の視点からみて明らかな呼吸器の病気がみつからない、もしくは今の症状を説明できる十分な所見がない患者さんの場合に、呼吸器科以外の科(耳鼻科や心療内科)と連携して対応していきます。

もし、皆さんの中で「長く続く咳」「長く続く息切れ」の症状がある方は当院を受診されてはいかがでしょうか?大学病院のように大きな病院ではありませんが、呼吸器の専門医が常時5名以上所属しています(非常勤の先生方も合わせると10人近くなります)。また、各科の連携もスムーズです。病気の種類にもよりますが、初診に来られてから診断・治療の方向性がわかるまでが早く、患者さんとの距離も近いと思います。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉