心療内科ってなぁに? 第42回 治療に関するお話 番外編 “自然と健康学びの場⑥”

治療に関するお話 番外編 “自然と健康学びの場⑥”

いやぁ開墾は大変でした。地表はツタが茂っているし、地中にも根が巡っていました。表面の草を刈り側溝を掘ることが主な作業でしたが(耕すことは行いませんでしたが)、それでも大変でした。

スコップを入れようとすると這っている根にあたりスコップが全然深く入らない。スコップで根(地中のつる)は切れないので、周りの土を掘り起こし最後に根を切りました。

時々石もありましたがそれほど多くない・・・と思っていたら、建物に向かって一番左端の最後の畝を整備していると砂利で埋め尽くされていた場所がありました。建物を建てたときに通り道や駐車場にするために砂利を敷き詰めたようです。この場所は畑にするのはやめようかな・・・とも思いましたが、整備したいなという気持ちが勝りました。

砂利で埋め尽くされた場所の整備

さて、どうしよう。砂利の所は上からスコップが入らないので、横から崩していくことにしました。砂利は10cmくらいの深さで敷き詰められていて、横から少しずつ少しずつ崩しては石を外に出していくという作業を続けていきました。1日では到底出来そうもなかったので、数日に分けて行いました。50歳を過ぎた肉体には大変な作業でしたが、「脳」へのストレスはなく意外と気分はスッキリしていました。

けれども、最後の日は“もう少し”“もう少しで終わる”と頑張り過ぎ、「身体マラソン」と同じ状態になってしまいました。夜になっても「脳」や「神経」が興奮して寝つきがわるくなり“身体のあちこちが痛い”と言いながら夜遅くまで布団の中でゴロゴロしていました。何事も“過ぎる”と健康を損ねてしまうことをあらためて実感しました。

砂利をすべて取り除いた後に、落ち葉を混ぜて土を入れました。建物の裏にあった腐葉土(天然の腐葉土)を入れたので、この畝は作物が良く育つかもしれませんね。昔の人たちはこのようにして一つ一つ田畑を開墾していったのだな~と感じました。やっぱり色々経験することは大切です。

日本中の田畑はしっかりと整備されていてとてもきれいですが、整備する際は同じような過程があったと想像できるようになりました。日本のお米や野菜もこのような労力の上に成り立っている・・・、食べ物や作り手の方々への感謝の思いが深まりました。

開墾前は1~2mブッシュがあり、奥が見えない状態でした。

茶色でブッシュを描いています。こんな感じで茂っていました。

手前が砂利を除いた所、奥の盛り上がっている所が整備前です(10cmくらい砂利があります)。

落ち葉と土を入れた後、最後はこのようになりました。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉