心療内科ってなぁに? 第66回 私は認知症?②

私は認知症?②

年を重ねていくと“記憶力”は低下します。嫌だな~と思っても“「脳」は「肉体」と同じく物(物質)なので、老眼と同じように衰えがあるのだな”と日々の生活の中で実感します。個人に差はあるにしても、年を取っていくとみな一様に「脳」や「肉体」は少しずつ衰えていくのですが、あまり気にしない人、ものすごく気にする人、衰えに対する反応はいろいろあるようです。

 

外来の患者さんの中には、“記憶力”が低下したことに不安を感じて、この症状に強くあらがっている方がいます。このような方は“記憶力”を維持しようと、名前や事柄を頑張って覚えようと練習したり、記憶ができているかについて確認を繰り返したり、パズルで「脳」トレーニングをしたり、色々な努力を行っています。はたして“記憶力”は改善するのでしょうか?外来では、「あ~やっぱり駄目だった」「若い頃みたいにはいかないわね」と落ち込みや不安を感じている方が多い印象ですが、どうでしょうか?

 

“記憶力の低下”という症状と、どのように付き合っていけばよいと思いますか?

 

電気信号で情報をやり取りしている「脳」はコンピューターやスマートフォン(スマホ)と機能が似ているので、「脳」の症状については日常よく使っているこれらの機器と比べながら考えるとわかり易くなります。皆さんが日常生活で使っているスマホでは、どのようなトラブルがありますか?そして、どのように解決していますか?また、そのトラブルにならないようにするために、どのような事を行っていますか?

 

スマホでよくあるトラブルは、フリーズ(固まる)やシャットダウンができないといったものです。皆さんも経験したことがあると思います。画面が動ない(クルクルと回っているサインがずっとでている)、スマホを終えようとして終了のボタンを押してもうまくシャットダウンができないといったこれらのトラブル、どうして生じるのでしょうか?

 

“アプリを入れすぎたのでスマホの動きが遅くなった”“動画を見るととぎれとぎれになった”“イライラして短い時の間にどんどんさわったら固まってしまった”このような体験をしたことはありませんか?コンピューターやスマホでは「処理速度」や「データを保存できる容量」といった機能は、あらかじめ決まっています。この機能以上の情報が(急に)入ってくると、フリーズ(固まる)やシャットダウンができないといったトラブルが生じます。

 

どのように扱ったら「脳」のトラブルが減る?

“記憶力の低下”にどのように対応したらよい?

 

電気信号で情報をやり取りしている「脳」はコンピューターやスマートフォン(スマホ)と機能が似ているので、スマホの例と比べながら考えていくと大切なポイントに気が付くことができると思います。自分自身の大切な「脳」のために、皆さん自身の答えを出してみて下さいね。