心療内科ってなぁに? 第78回 自然と健康学びの場⑮

自然と健康学びの場⑮

 自然農では、種をおろしの際には土の表面の乾燥を防ぐ目的で刈り取った葉を上からかけます。刈りたての葉っぱは時間がたつと水分が抜けてシュンとなり縮んでその間から芽が出てきます。防虫効果はない様で、時期によっては芽が出た端から虫に食べられてしまいます。大根、白菜、かぶなどのアブラナ科の芽は虫たちに取ってごちそうの様で、芽が出た端からたべられてしまったことを経験しています。レタスなどキク科の野菜では少し苦味があるせいか、アブラナ科よりは食べられる頻度が少ない印象です。食べられる分だけ多く種をおろす!という方法も試みましたが、それ以上のスピードで食べつくされたことも経験しています。そのためアブラナ科の野菜は、家のベランダで発芽させて大きく育成してから畑に移植するようにしていました。

 

 さて、サラダバー状態の苗床、どうしよう?先生にきいてみたところ“食べられたらまた種をおろしましょう!” “タイミングが変われば出てきますよ!”との話。“え~” “繰り返しまくだけなの?”と聞いていると、“しょうがないな” “確実性を増すために苗床では不織布を用いましょう!”という話になりました。

 

 不織布とは織っていない布のことで、織り込んでいない分網目が荒く通気性があり雨水も通過します。しかも、蒸発する水分が布に引っかかり朝露となって布につくため、葉をかぶせたと同じように適度な湿り気を保つことができます。「地面の水 → 水蒸気 → 朝露 → 地面に落ちる」といった循環ができ、芽の成長が安定します。さて不織布で虫を防ぐことができるのか?“上からの虫は防ぐことができるけど、土の中の虫は防ぐことができないのでは?” “土の中から虫が多く出てきて芽がすべて食べられてしまう?”と心配は尽きません。先ずは経験!と口ずさみながら不織布をかける作業を行いました。

 

 しばらくすると、写真にあるように、しっかり芽が出てしかも虫に食べられずに残っていました。芽が残ったら残ったで、新たな心配がでてきました。このまま芽が大きくなると、不織布にぶつかってしまい成長が妨げられるのではないか?と心配しました。何か対応しなくてはと考えて、不織布に(勝手に)穴をあけました。念のため、先生に連絡して聞いてみた所、“穴をあけたらそこから虫が入ってくるので閉じた方がいいですよ!” “不織布にはゆるみを持たせているので育っていきますよ”との返事、すぐにテープで穴をふさぎました。このような感じで、バタバタしながら野菜の苗を育てています。経験が浅いと、何をするにも不安や心配ばかりですね。

 

 

 

不織布をかぶせた苗床。ところどころ、穴が開いています。

 

 

この後穴をふさぎました。

 

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉