第93回 自然と健康学びの場⑳
春になって暖かくなりました。畑にも多くの花が咲いています。
チンゲン菜の花
白菜の花
タアサイの花
スティックセニョール&そら豆の花
こに写真をのせたチンゲン菜、白菜、タアサイ、スティックセニョール、すべてアブラナ科の花です。収穫の後に脇芽から出てきたもの、沢山育って取り残したもの、大きくなりきれなかったもの、種取り用に残していたもの、それぞれの理由で畑に残っていますが、いずれも春になるときれいな花を咲かせてくれます。
他にもアブラナ科の野菜があります。大根、カブ、カツオ菜、ワサビ菜などもアブラナ科です。自然農を始める前までは、これらの野菜が菜の花と同じアブラナ科だとは知りませんでした。菜の花は食べることができます。同じように、これらの野菜の花も食べることができます。花の見た目は似ていますが、大根の味、カブの味、ブロッコリーの味など、それぞれの野菜の味がして興味深いです。白菜の花は甘く、大根の花は少しピリッとします。来年は菜の花を並べて「味あてクイズ」をしようかなと考えています。
皆さんが食べている野菜の中には種を残すために蓄えていた栄養分がたくさん含まれています。秋から冬にかけて蓄えていた栄養分のおすそ分けを私たちは食べているのですね。野菜はこの栄養分を用いて一気に花を咲かせます。花が咲き出すと栄養分は奪われていき、野菜として食べている部分はぎすぎすして堅い野菜になってしまいます。このような、花を咲かすための花芽のついた花茎が伸びてきた状態のことを「とう立ち」とも言います。この「とう立ち」をみると、“美味しい時期を逃した”“食べ残した”という惜しい気持ちが少し出てくることもありますが、菜の花が一気に咲くのはとてもきれいで、食いしん坊な気持ちも吹っ飛んでいきます。といいながら、花芽を収穫しサラダにして食べています。色々な種類の花芽はスーパーでは売っていないので、これは野菜を育てている人の特権ですね。
国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉