心療内科ってなぁに? 第112回 医食農の話②

心療内科ってなぁに?第112回医食農の話②

第4週は自然(食事)と健康についての話題です。自然農の話だけでなく、食べ物と味との関係やエネルギー、漢方薬についても話していきます。

 

日当たりのよい場所に移ってから、毎年野菜を収穫できるようになりました。しかし肥料を入れないで育てている影響か(近くにある落ち葉を入れることはあります)、数量や安定性といった所ではまだまだな印象です。

 

私たちが口にしている農作物は、何も手を加えないと雑草に負けてしまいます。雑草は太陽のエネルギーだけでぐんぐん育ちますが、野菜が成長するには太陽のエネルギーだけでは足りず、土にあるエネルギーも消費されているようです。昨年と同じ場所にキュウリや玉ねぎ、ナスやブロッコリーを植えて育てると、成長が悪くなり収穫量が減るのを経験します。農作物の成長をみていると、土地に蓄えられていたエネルギーが作物の成長に使われているのだな~と感じます。

 

南向きの場所を開墾したときにボイラーさんから落ち葉の差し入れがありました。土の下に入れ込んだら、ナスやきゅうりの育ちがよく、多く収穫でき、枯れ葉は太陽のエネルギーを多く含んだ栄養素だな~と感じました。ちなみに、枯れ葉を入れた場所では窒素分が多いせいか、葉は濃い緑色に変化します(通常自然界の葉の色は薄い緑色です)。

 

 このような体験を重ねていくと、肥料の意味がなんとなく解ってきます。足りない所を外から補うと多く安定して作物を収穫できるようになります。一般的に肥料として用いられているのは、腐葉土や鶏糞、電解質などです。腐葉土の素は草の葉や木の幹で、これらは太陽エネルギーによって育てられたものです。鶏は穀物(植物)を食べて大きくなるので、鶏糞の素も太陽エネルギーといえます。電解質の生成には電気の力が必要です。電気は石油や石炭から作られています。石油や石炭は積み重なった木や藻が変化したものといわれています。どうですか?肥料の素は太陽エネルギーとも言えるのではないでしょうか?

 

 肥料を多く入れると、大きく育ちます。しかし、肥料を入れすぎると味は薄くなって水っぽくなってしまいます。そして病気にかかりやすくなってしまいます。この話は、人の成長や治療にも置き換えることができます。皆さんの身体は水ぽくなっていませんか?病気にかかりやすくなっていませんか?自然農のやり方で野菜を育てていると、野菜本来の育ち方を観察することができ、色々な事に気が付くことが出きます。

 

皆さもんも身近で植物を育ててみて、色々な事を感じ取ってみてはいかがでしょうか?自然農でなくてもOKです。自身の健康を考える際に応用できますよ。

 

玉ねぎの苗を植えました。1年(冬に苗付け → 翌5月に収穫)では、市販の玉ねぎのように大きくならないこともあります。肥料を入れると大きくなりますが病気にもかかりやすくなります。福岡病院ではまだないのですが、農家さんの話ではベト病が流行っているそうです。

こちらも玉ねぎの苗です。生姜の後なので畑のエネルギー(地力)が落ちているかな?と考えて、落ち葉を敷いてみました。どうなるでしょうか?実験です。

 

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉