心療内科ってなぁに? 第137回 症状ってなぁに?(7) 道具を使う技術

“心”は“体の運転手”。 メンテナンス技術と運転技術(ドライビング技術)、これらの技術を身に着けていくことが、「心Coro Heartの成長=行動の成長」につながります。体(脳+身体)の使い方=運転技術を習得し健康を作っていくことができるようになると、症状が出にくくなりお薬が減っていきます。

 

先月は、機器からのサイン“危険信号”とその対応法“メンテナンス技術”の話でした。今回は、機器を使う技術についての話です。

 

スマートフォンを使うには、スマートフォンの使い方(使う技術)を身に着ける必要があります。どのスイッチを押せばスタートするか、どのスイッチを押せばカメラが起動するか、どうしたらアプリをダウンロードできるか、手に入れたアプリケーション(プログラム)の使い方も知る必要があります。機械(道具)の維持”と“道具の使い方、両方の知識と技術を身につけていくと、スマートフォンが使えるようになります。

 

スマートフォンを操作する人のイラスト(男性)皆さんが初めてスマートフォンを触った時、「どのようにして使うの?」「立ち上げるのはどうしたらよい」「メールはどのようにしたら送ることができる?」「難しくてわけがわかんない!」「文字変換の方法がわからない」など、扱いに困らなかったでしょうか?最初はできなかったこれらのことができるようになったから、今、皆さんはスマートフォンをサクサク使えています。

 

車の運転手でも同じことが言えます。皆さんが、教習所で初めて車に触った時、運転した時は、「どのようにして使うの?」「スタートするにはどうしたらよい」「ウインカーの合図を送るにはどうしたらよい?」「難しくてわけがわかんない!」「エンストしてしまう」「坂道発進はいや!」など、車の扱いに困らなかったでしょうか?これらのことができるようになったから、今、皆さんはドライブを楽しむことができるのです。

 

車を運転する人のイラスト(男性)もちろん、体(脳+身体)を扱う際も同じことが言えます。皆さんが脳や身体を使い始めた時は、「“立つ”“歩く”はどうしたらよい?」「この文字読めない」「計算できない」「自分の意見を言うのは難しい!」「友達とけんかしちゃった!」「クラスの意見がまとまらない!」など、“体の扱い”や“コミュニケーション”で困った経験はありませんでしたか?小さい頃のことなので、もう忘れてしまいましたか?これらのことができるようになったから、今、皆さんは人生を楽しむことができています。

あるいは、まだ上手にできずに生活のいろいろな場面で困難を感じているかもしれません。もし困難を感じている方は、“体の扱い”や“コミュニケーション”における技術を学んでみてください。これらは技術なので、歩けるようになったり、走れるようになったりしたのと同じように、身に着けることができます。今、苦手に思っているかもしれませんが、少しずつ練習し、小さな経験を増やしていくと必ずできるようになります。

 

メンテナンス技術運転技術(ドライビング技術)、これらの技術を身に着けていくと症状はでにくくなり、楽しく人生を過ごせるようになります。

 

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉