心療内科ってなぁに? 第27回 治療に関するお話⑤ “ブレーキの話”

治療に関するお話⑤ “ブレーキの話”

皆さん、「脳のメンテナンス」をしていますか?「脳」を意識して休ませていますか?

少しずつ治療の話に近づいてきました。

「好きの向こう側」に「病気=症状」があります。

心療内科に来られる患者さんは、「脳を働かせすぎている」状態になっています。

「考えることが好き」な人が、「脳を使い過ぎる」と「脳」に負担が生じて“ストレス”関連の病気になりやすくなります。

“ストレス”で不調を感じている時、このような状態になった時、皆さんはどのようにしたらよいと思いますか?

そして、お薬はどのような役割を果たしているでしょうか?

脳にブレーキをかける
  • 「走っている」⇒「走り過ぎて足や腰が痛い」時はどうしますか?
  • 「自転車にのっている」⇒「自転車に乗り過ぎて足が痛い」時はどうしますか?
  • 「自動車を運転している」⇒「自動車に乗り過ぎて車の調子がおかしい(スピードを上げると何かガタガタいう)」時はどうしますか?

身体・自転車・車を休ませて「メンテナンス」をする、といった声が聞こえてきました。その通りです。

ですが、休ませる前に、まずは身体・自転車・車を止めないといけませんよね。「止める」ことができないと、「休ませる」こともできないし「メンテナンス」することもできません。

「脳を休ませる」と同じくらい大切なことが、「脳にブレーキをかける」ことです。

  • 「走っている」⇒「走るスピードを落として止まる」
  • 「自転車にのっている」⇒「ブレーキをかけて自転車を止める」
  • 「自動車を運転している」⇒「ブレーキをかけて自動車を止める」

つまり「アクセル」と「ブレーキ」の「ブレーキ」がとても大切なのです。

“ストレス”に関連する病気について、なんとなくわかってきましたか?

「好きの向こう側」に「病気=症状」があります。「考えることが好き」⇒「脳を使い過ぎる」⇒「脳や神経に負担が生じる」⇒「症状がでる」といった流れがあります。

「脳のアクセル」=「脳を使うこと」は大切ですが、「脳のブレーキ」も大切です。

脳にブレーキをかけて脳を休めることも、意識してみて下さいね。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉