心療内科ってなぁに? 第39回 「脳のリハビリ」ポイントと方法

「脳のリハビリ」ポイントと方法

当院で行っている「脳のリハビリ」、そのポイントと方法について記載します。

「脳のリハビリ」のポイント
  • 「脳のリハビリ」では、脳を鍛えることを目的としていません。リハビリ期間中は、脳だけを使う・トレーニングすることやデジタル情報を多く扱うことは極力避けましょう。
    ※デジタル情報は身体の機能を通さず脳に入ってくるので、脳と身体のバランスが悪くなります。
  • 「脳のリハビリ」では、「脳のアクセル」「脳を速く使うこと」ではなく、「脳のブレーキ」「脳をゆっくり使うこと」を主に練習していきます。
  • 「脳のリハビリ」では、ゆっくり、力を抜いて身体を使い、身体から脳へゆっくり、力を抜く刺激を送り込みます。

脳のリハビリの目的

  • 脳をゆっくり使えるようになること (脳と身体をゆっくり、力を抜いて、バランスよく使えるようになること)
  • 意識して脳と身体を同時に使えるようになること (意識して脳と身体を“連動させて”使えるようになること)
  • 「考える」ではなく「(身体を通して)感じる」機能を高めていくこと
  • 「脳のブレーキ」「脳をゆっくり使う」という、これまでできなかったこと・苦手であったことを練習し、その技術を習得していきます。これは、赤ちゃんが「ハイハイ」「立つ」「歩く」ことができるようになる(技術を身に付ける)ことや、自転車に乗れるようになることと同じです。技術の習得には時間がかかるので、焦らず、ゆっくり身に着けていきましょう。
「脳のリハビリ」方法
  1. “瞑想法”で呼吸を「感じる」練習をしていきます。「感じる」ことと「考える」事は同時に行えないので(行ない難いので)、「感じる」練習を行っている際は「脳にブレーキ」がかかります。
  2. “ゆっくり花呼吸”でゆっくりした身体の動きを学びます。身体から脳へゆっくり、力を抜く刺激を送り込みます。
  3. 自然の中に出ていきます。自然の中では「脳」はゆっくりとした活動になります。デジタル情報から離れて、自然の中で過ごすだけで「脳のリハビリ」になります。自然の中で活動しながら体=脳+身体の機能を上げていきます。

“瞑想法”“ゆっくり花呼吸”については、後日に掲載する予定です。

皆さんも行ってみて下さい。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉