心療内科ってなぁに? 第45回 “ゆっくり花呼吸”の補足

“ゆっくり花呼吸”の補足

“瞑想法”も難しかったのですが、“呼吸法”も言葉で説明すると難しく感じますね。あまり「考え」ないで、実際に行ってみた方が理解しやすいかもしれません。「考える」と「行う」のバランスが大切です。

“呼吸法”にも「座禅をしながらの呼吸法」「腹式呼吸法」「スローな呼吸法」「力を入れた激しい呼吸法」「ヨガの呼吸法」など色々なものがあります。それぞれに意味があって興味深い物ばかりです。目的に沿って習得して活用していくことが大切です。このブログでは「脳」のリハビリ、「脳」のリラクゼーションを目的とした“ゆっくり花呼吸”を紹介しています。この“ゆっくり花呼吸”は“受動呼吸”というキーワードをテーマにつくりました。

繰り返し述べていますが、心療内科を受診する方は「考える」ことを行い過ぎて「脳」に機能障害が生じています。

この状態を改善する手段の一つが“お薬”です。“お薬”は“補助ブレーキ”の役割を担っています。“補助ブレーキ”を外す=“お薬”から離脱するには、「脳にブレーキをかける」練習が必要と考えています。瞑想法、ゆっくり花呼吸を練習していくと、「脳にブレーキをかける」技術が身に付いていきます。上手にできるようになると、“お薬”の使用から遠ざかることができます。

受動呼吸について

“受動呼吸”、あまり聞きなれない言葉だと思います。「脳」のリハビリでは必要な言葉なのでこの“受動呼吸”という言葉をつくりました。科学的な説明ではないのですが、“呼吸するぞ”と意識して行う呼吸を“能動呼吸”“受け身”でおこなう呼吸を“受動呼吸”としています。前者は「考える」が優位になり、後者は「感じる」が優位になります。

“ゆっくり花呼吸”では、先ず「身体」を動かし胸郭を動かします。胸郭が動いた結果、気道を通じて空気が出入りする、といった方法で呼吸を行います。このやり方で行うと、空気の出入りを「感じながら」呼吸を行うことができます。「感じる」=“受動的”な状態になります。“受け身”の状態で呼吸をする、といった感じなのですが、言葉で説明すると余計こんがらがりそうですね。

胸郭を広げると胸腔内が陰圧になり空気が自然に入ってきます。胸郭を狭めると胸腔内が陽圧になり空気は自然に出ていきます。このような、「身体」の法則を用いて、「感じながら」呼吸を行う練習をしていきます。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉