心療内科ってなぁに? 第46回 “ゆっくり花呼吸”の補足②

“ゆっくり花呼吸”の補足②

“ゆっくり花呼吸”では、まず「身体」の動きを学びます。名前の通り“花”の動きを参考にして動きを学んでいきます。自然界の動きはいつも参考になります。

“花”には裏と表があり、「身体」にも裏と表があります。「身体」を上手に使うにはどういう動きが良いか?特にリラックスしながら使うには、どのようにしたらよいかという視点で探していたところ、この“花”の動きにたどり着きました。

花の動きを表現

まず「手」の動きで“花”を表現します。次いで「体全体」で“花”の動きを表現します。これらはどちらが先でも構いません。 わかり易い方から行ってみて下さい。

“呼吸”と連動させて行う際は、胸郭の動きがよりよくわかる「体全体」の“ゆっくり花呼吸”から行ってみて下さい。こちらの方が胸郭の動きが大きいため、「空気」が出たり入ったりする感覚がよくわかると思います。

夜寝る時は「手」の動きの方法が行いやすいです。寝ている時は、「体全身」は動かせないですよね。「手」の動きに連動させて“呼吸”をしていくと“受動呼吸”がスムーズに誘導されます。

会議などの場面で

会議や全体集会など、長時間座ってもしくは立って話を聞く時があります。このような時に“ゆっくり花呼吸”を行うと効果的かもしれません。

このような場面では「手」の動きの方法がよいでしょう。もしかすると「脳」のリラクゼーション効果が得られるかもしれません。また、「脳」へ酸素が多く送り込まれてスッキリできるかもしれません。

「脳」がスッキリしてくると、会議や全体集会などの話もより良く聞くことができて、集中できるようになるかも・・・しれませんね。

この“ゆっくり花呼吸”、「感じる」=“受動的”な状態で「体(脳+身体)」を使う基礎練習にもなっています。

合気道の動きを参考にしてつくったもので、年を取ってからも活用できます。リラックスしながら体全体を使う練習にもなるので、スポーツを行う際に緊張してミスしやすい人は、この動きを取り入れてみても良いかもしれません。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉