心療内科ってなぁに?121回心の成長(病気と健康)の話(7) 空腹を感じよう!
“心”は“体の運転手”。第2週は“心の成長(英語ではCoro Heartの成長)= 運転技術の習得”や“どのようにしたら行動は成長する?”についての話です。“体(脳+身体)の使い方=運転技術”を習得し、健康を作っていくことができるようになると、症状が出にくくなりお薬が減っていきます。
皆さんは、最近、
“空腹” “お腹が空いた”と感じたことがありますか?
“満腹” “お腹がいっぱい”と感じたことがありますか?
どちらを多く感じていますか?それとも一方しか感じていませんか?
“空腹” “お腹が空いた”は、「食事が足りていないので、食べ物を身体の中に取り入れて下さい」という体からの訴えです。一方、“満腹” “お腹がいっぱい”は、「胃腸系に多く入り過ぎているので、これ以上、食べ物を身体の中に入れるのはやめて下さい」という体からの訴えです。“空腹”や“満腹”は、症状=身体からの大切な信号(サイン)で、無視したり、どちらかに偏り過ぎたりしていると、病気になってしまいます。
健康の秘訣はバランスです。
“空腹”が多い時、人は「やせて」いきます。“満腹”が多い時、人は「太って」いきます。食事の「取り過ぎ」や「取らなさ過ぎ」は、体重の推移をみるとわかります。「やせすぎ」「太りすぎ」など、標準体重からかけ離れ過ぎている人は病気になりやすくなるので注意してください。
「太りすぎ」の人は、“空腹” “お腹が空いた”を増やしていくと体の調子が良くなります。「やせすぎ」の人は、理論上は、“満腹” “お腹がいっぱい”を増やすと良い、になるのですが、患者さんをみていると、少し食べただけで“満腹” “お腹がいっぱい”と感じてしまう人も多いようで、単純ではないと感じています。体質や病気の影響もあるので、無理のない量で可能な範囲で食事をとるようにして下さい。「やせている」人に「少しお腹に食べ物が入っている方が調子良い」という人もいます。このような方は食事を小分けにして食べ物を摂取すると良いかもしれません。動物を用いた研究では、通常のえさの量の60%のえさの量が一番長生きであったという報告があります。自由に食事をとると食べ過ぎる傾向があります。寿命が短くなるかもしれないので注意してください(参考まで)。
健康になるためのポイントは“体と会話すること” “体からのサインに心を傾けること”です。“お腹が空いた”が多い時は食事を摂取することを意識しましょう。“お腹がいっぱい”が多い時は胃腸を休めることを意識してください。体と会話をせずに、“○○を食べると健康に良い” “糖質は悪い” “あれが良い” “これが悪い”など、“知識”で食事をとるといつの間にか病気になることがあります。情報に振り回されずに、バランスよく食事を取ることを心がけて下さい。余裕があり知識も得たいという方は、どの食事にタンパク質、糖質、脂質、繊維質などが多いかを学んで、これらをバランスよく食べることを意識してみましょう。
大切なことは“健康を保とう”とする「運転手の心」と「行動」です。「心」は目に見えませんが「行動」は目に見えます。そして体重も目に見えます。「胃腸」の健康を保つためには、自分自身の「食行動」にどのような特徴があるのかを知ることが大切です。「身体」の機能をその時々に合わせて上手に使えるようになると、異常は生じにくくなり、症状(アラート信号)は減っていきます。
“心”は体(脳+身体)の運転手。食事を摂るということは、栄養を取るという事でもありますし、自然界からエネルギーをもらう事でもあります。「胃腸」は、健康、元気の源です。「胃腸」のメンテナンスができるようになり、扱い方が上手になると、「胃腸」の健康を保てるようになり、病気になりにくくなります。
国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉
