“心”は“体の運転手”。 メンテナンス技術と運転技術(ドライビング技術)、これらの技術を身に着けていくことが、「心Coro Heartの成長=行動の成長」につながります。“体(脳+身体)の使い方=運転技術”を習得し、健康を作っていくことができるようになると、症状が出にくくなりお薬が減っていきます。
フィードバックループ、フィードバックシステム:初め → (情報の処理)→ 終わり(フィードバックサイン) → フィードバック、について理解できましたか?
それでは、このフィードバックループを通して、“症状”について学んでいきましょう。

“症状”の原因は何だったでしょう?覚えていますか?このブログの中で繰り返しお話ししていますが、“症状”の原因は、“体(脳や身体)の使い過ぎ”です。例えば、私たちが、手足や脳、すい臓、肝臓などを使いすぎると、体(脳や身体)は“危険信号”である“症状”を出して教えてくれます。
“症状”は私たちが適切に体を使うことができるように、もし過度に負荷がかかって壊れそうになった時は「もうこれ以上は耐えられない!」と私たちに教えてくれているサインです。“症状”は悪いものではなく、体から発せられる重要なメッセージです。

体と会話しながら、サイン(フィードバックサイン)を適切に感じとれるようになりましょう。その情報をフィードバックして体の健康維持のために用いることができるようになると、“症状”は長引くことなく、改善に向かいます。「“私の手足”まだ大丈夫?」「少しの疲れだから大丈夫」「“私の脳”まだ大丈夫?」「頭痛があるよ」「“私の体”大丈夫?」「疲れがたまっているよ」など、体(脳や身体)と会話できるようになると、症状は出にくくなっていきます。
「完全に症状をなくす」ことができない場合もあります。その時は「症状を減らす」ことを目標に、体をいたわりながら用いてみましょう。また、加齢に伴って体の機能が衰えたことが原因になることもあります。年を重ねると体(脳や身体)の機能は落ちていくので、若かった時のイメージで体を使うと、負担をかけ過ぎて症状が出ることがあるので注意してください。
体からのメッセージ、“症状”の出方には個人差はありません。「脳を使いすぎると頭が重たくなる、頭痛がする」「たくさん走りすぎると筋肉痛になる」「多く食べ過ぎると苦しくなる」など、“症状の出方”は一定なのですが、“症状の感じ方”は、人それぞれで大きく変わる場合があるので注意しましょう。
一方で、サイン(フィードバックサイン)を間違って理解すると“症状”は改善せず、“病気”は長引いてしまうこともあります。例えば、“症状”を“気にし過ぎる”と別の病気になってしまうことがあります。“気にし過ぎ(考えすぎ)”という病態によって、「“症状”を強くを感じて日常生活を楽しく送れない」という悪循環にはまっている患者さんを、外来で診ることがあります。

“気になればなるほど” “意識を向ければ向けるほど”、「体の“症状”を強く感てしまう」ようになります。例えば、いつもお腹に意識が向いている人は、“お腹が張っています、どうしたらよいですか?” “毎日排便がないのですが大丈夫ですか?” “お腹がチクチクします”といったように、ガスのたまり具合や排便の変化にとても敏感になっています。これらの“症状”を感じている人でも、農作業やハイキングなど外に出て楽しい時間を過ごしている時は“お腹の症状”を忘れています(お腹に意識が向いていないからです)。
他の例では、“リンパ節がコリコリしています” “触ると違和感があります” “病気でしょうか?”と訴えられる方がいます。気になればなるほど“症状”を大きく感じます。自分で触って確認し、不安になってまた触るという悪循環が生じます。触るという物理的な刺激が加わると、リンパ節の炎症も悪化しやすくなります。この方も何か別のことをしている時は、症状を感じないようでした。
“意識し過ぎて症状を強く感じてしまう”という方がいる一方で、逆のパターンもあります。体温が38.0度という異常なサインがあっても、本人が熱として認識していない場合があります。通常私たちにとって、“異常なサイン”や“いつもとは違うサイン”は、不快なものと認識されているため“症状”となるのですが、異常なサイン、体の熱感を“きつい”と感じていない場合は、“症状”として他者に訴えないので、病気が発見できないときもあります。
“症状”の出方は体の機能に依存しているので大きな個人差は認めないのですが、“情報を感じる能力” “症状の感じ方”には個人差があります。
“症状”の意味や“症状”の活用の仕方について理解するのは難しいと感じるかもしれませんが、大切なことはフィードバックループ、フィードバックシステムのポイントを押さえていくことです。初め → (情報の処理)→ 終わり(フィードバックサイン) → フィードバック、“症状”がある場合は、フィードバックサインを最初に自覚しますが、その“症状”がでてきたのは、理由(はじめ:原因)があることを覚えておいてください。
国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉
